HAVIT ロープロファイルキーボード HV-KB390L
10年以上愛用していた初代Majestouchがついにチャタリングを起こしてしまった。清掃で一応は復活したのだけれどいつ再発するかわからん。そこで前から気になっていたHAVITのロープロファイルキーボードHV-KB390Lがセールで半額だったので購入してしまった。
Majestouchの打鍵感はけっこう好きだったのだけれど、押し込みが足りてなくて時々取り零しが出ちゃうのが気になっていた。ロープロ青軸ならハッキリとしたクリック感があり作動点が普通のスイッチより約1mm高いので丁度よくなるのでは…と思ったのだ。
(実際に使ってみるとクリックの音や感触を認識する前にもう指は次に移動しちゃってるので、自分的にはクリック感はあってもなくても関係ない…むしろ邪魔かもという結論に。作動点の高さは今のところあまり実感できていない。)
外観
HV-KB390Lは英語配列。日本語配列のモデルもあるが私はこっちが好み。最初は洋ゲーでコンソールを出すためのチルダ入力目当てだったんだけれど、BackSpaceとEnterキーが1個ぶん近いのがすごく楽なので今ではこれ目的で英語キーボードを選ぶようにしている。
さて、薄型キーボードのメリットの1つにパームレストが要らないってのがある。しかしMajestouchの厚みでもパームレストの必要性は感じていなかったので「さすが薄型」みたいな実感は全くない。どちらかというとHV-KB390Lのほうがパームレスト欲しくなるかも。
チルトスタンドはMajestouchでは立てていたのだが、HV-KB390Lだと立てないほうが自分の手には負担が少ないようだ。
(追記:普通に文章を打つ時はどちらも大差ないが、ゲーム中はチルトスタンドを立てるのが指の第二関越による下段誤爆対策として有効な気がする。)
フレームレス+テンキーレスで思っていた以上にコンパクト。シンプルなデザインでかなり好み、でもLED発光なんて要らんのだがなぁ。掃除はカメラのブロアでシュポシュポと吹くだけなので楽。
Caps Lockなどのランプは存在せず、そのキーのLEDが点灯するのみ。ちょっと違和感があるというか手の影に隠れて気づきづらい。HV-KB390LのLED色は青のみだがフルカラーのKB395Lという新型もあるらしい。
キーキャップは半透明のベースに黒塗装なのでそのうちハゲてきそう。けっこう指の脂が目立つ。(みっともないから製品写真が撮りづらい…)
キートップの形状はかなりフラット。凹みがほとんどなくてキーの中心が掴みにくいせいか指の収まりが悪く指が泳いでしまいがち。ノートPCのキーに慣れている人だと違和感ないのかな? キーの間隔は同じはずなのだけれど何だかミスタイプが増えてしまった。もう少しキーキャップの厚みが増えても凹みを強くしたほうがいいと思うんだがなぁ。
打鍵音
青軸という事で気になっていた打鍵音は意外とうるさくない。…というか、このKailh製ロープロ青軸、クリック音はあるのだけれど初代Majestouch(茶軸)の打鍵音よりは静か。Majestouch茶軸は指を離してキーが戻りきった時の音が何気に響くのだ。だから底打ちしないように打っていてもそれなりに音が出てしまう。
もちろんHV-KB390Lだって底打ちや戻りの音はするのだけれど、比べると全体に音が抑えめ。仮に底打ちしちゃったとしてもMajeで底打ちなしよりも耳障りでない。(反響するだけのスペースがないからか?)
スイッチの感触・打鍵感
キーを押し込む時に必要な力はカタログスペック上だとHV-KB390Lのほうが軽いはず(45±10gf)だが、実際に打ってみるとあまり違いを感じない。むしろHV-KB390Lのほうが重いか。
TechPowerUpのレビューによると
"PG1350 Blue switches are rated for an actuation force of 55 g (54 cN) +/- 10 g, pre-travel of 1.5 mm +/- 0.5 mm, and tactile force of 60 g (59 cN) +/- 10 g with a total travel distance of 3.0 mm."
https://www.techpowerup.com/reviews/Havit/HV-KB390L/
って事で私の感覚は間違ってないと思う。
より細かく感触を分析するとロープロ青軸のほうが抵抗感がありスイッチ作動点直前で一番力が必要になる。Maje茶軸は必要な力がほとんど変わらずスムーズに押せてスイッチがONになる直前でわずかに引っ掛かり感がある。HV-KB390Lはもう少し軽く押せるといいんだけれど…。作動点の高さを実感できないのはたぶんこのせいだと思う。同じ力のかけ具合だとMaje茶軸のほうが深いところまで指が沈むんじゃなかろうか。
他のキーと組み合わせて使う関係上、小指で押し続ける事になるShiftキーやCtrlキーが固いのはちょっと嫌な感じだ。(※他のキーと同じ固さ。1回ポンと押すだけなら固さは問題なし。)SKKの変換ではSiftを多用するからなぁ……正直小指が疲れる。そこでSandSやSticky Shiftを併用してなんとか解決。
これまで意識していなかったがMajeはShiftなどの小指で押すキーが普通のキーより軽くなっているのに今更ながら気がついた。こういう細かな気遣いはMajestouchのほうがいいね。←気のせいだった。
修飾キーは固さが気になったがQWERTYなどのメインになるキーは全く問題なし。使っていて底打ちが気になるかといわれるとそうでもない。Maje茶軸で底打ちしない打ちかたが染み付いているのだが、ロープロ青軸の場合はギリギリ底打ちするかしないかくらい。高速で打っていると底打ちしているのかクリック感なのかも正直あまり区別がつかない。
HV-KB390Lに慣れてからMajestouchを使うと茶軸の節度のなさというかクニャクニャ感?と打鍵音が少し気になる。そしてMajeの後でHV-KB390Lを触るとクリック感の部分を引っ掛かりと感じるのでどっちもどっち、慣れの問題だね。
今のところ左小指をかばって本来小指のところを薬指で打ったりと変な打ち方になっているせいで左手だけやたらに疲れている。なので疲れやすさについてはまだ今イチ正確な判断ができないが、右手基準で考えると薄型だから特に疲れやすいという事もなさそう。ただしShiftやCtrlキーを多用する人の場合はちょっと注意かもしれない。MajestouchとShiftキーの重さの違いはわずかなのだが、それでも長時間使用すると小指の負担はかなり大きくなる。
とりあえずON/OFFがハッキリしてるからゲーム中に力が入りすぎない。ゲーム用途だとやっぱりストロークが短いほうがいい。
ゲームモードだとWinキーのON/OFFができる。が、ゲームモード中は有効・無効に関らずWinキーが点灯したままになって消せないのでちょっと目障りだ。
こうやって両者を試した感じ、結局自分の好みはロープロ青軸じゃなくてロープロ赤軸あたりなんじゃないかという気がする。そんでサンワサプライからこれの赤軸バージョン400-SKB057Rが出ているんだけれど日本語配列しかないんだよねぇ。オリジナルとおぼしきDAREUのEK820にも赤軸タイプがあるのだが個人輸入になって面倒だし。どうにもままならん。
※現在はLEDがフルカラーになったHV-KB395Lにモデルチェンジしているようです。
補足
ドライバをインストールするとマクロや発光パターン等もうちょっと細かく設定できるようだ。→https://www.havit.hk/downloads/
Sticky Shiftは特定のキー(主に";"キー)を押した後のキー入力がShiftキー押しながらの入力と判定される方式。SandSはスペースを押しながら他のキーを押すとShift、他のキーを入力せずスペースを離した場合は空白と認識する方式。
Sticky ShiftならWindowsだとSKK日本語入力FEP、Linuxならuim-SKKから設定でき、他になにか小細工する必要もないのでSticky Shiftを練習中なのだがなかなか慣れない。
SandSのほうが感覚的には馴染むなぁ。でも、Linux環境でSandSが効くようにしちゃうと日本語入力以外でも適用されちゃうからゲームやら何やらで面倒なのよ…。