『Gothic3』昔ながらの洋ゲー臭漂うRPG
最近ハマっているゲーム…といっても発売は10年程前のドイツ産RPG。数年前に買ったまま長いこと積んでいたのを最近崩した。
発売当初はバグだらけだったそうだが、パッチ1.75でのプレイではほぼ問題なし。日本語MODも適用は簡単で1.74用からgui.modを削除するだけ。若干、名詞などの訳が不統一だったり話し手が入れ替わってしまったりする箇所があるがプレイに支障はきたさないと思う。
10年前のゲームなので最近の作品と較べてしまうと酷だが、当時としてはグラフィックの出来がかなりよい。近い時期に出ていた同系統の箱庭RPG『Oblivion』と較べるとバニラ状態ではGothic3の勝ち。特に景観などの造り込みがよくできていて、鬱蒼とした森や茂みの表現などが自然な感じ。さすがに古いゲームなだけあってAPUのA10-6800Kでも1920*1080で快適にプレイできたのは助かる。
町やダンジョンでのローディングは一切なしで全てのマップがシームレスにつながっている。まあ、実際にはオブジェの多い場所に近づくと小刻みに読み込みでカクついてしまうのだが。このカクつきはエンジン由来のようでグラボの交換やSSDインストールなどでも改善されないそうだ。
マップの広さもだいたいOblivionと同程度かな?あちこちぶらぶら探索が面白い。ただしMODはほとんど無いのでTESシリーズのように世界を拡張していく楽しみかたはできない。
主人公はヒゲ面の名無しのオッサン(Nameless Hero)であり、キャラメイクなるものは存在しなくて名前・外見はおろかステータスの割り振り・スキルの選択も一切できない…何という割り切りよう……。この仕様、名前とか外観・能力値などに悩みまくってメチャクチャ時間がかかる自分としては有り難かったりする。
スタート時は毎回同じだが、それ以降の成長のさせかたはプレイヤー次第。剣士でも盗賊でも狩人でも魔法使いでもマルチクラスでもお好きなように。
ゲームの基本的なシステムはTESとだいたい同じ。メインのストーリーラインと各所にたっぷり用意されたサブクエストを好きなように進めていくタイプ。ただしマーカーのような便利な代物は存在しないため、ただのおつかいクエストにやたらと手間取る事も…まあ、それも乙なもんです。一応マーカーを表示させるMODもあるようだが、あれこれ便利情報が表示されすぎてスポイラー気味だそうな。
ストーリーは主人公が辿り着いた大陸はオークが征服されていて、ちょうど反乱軍が蜂起した町に居合わせた…みたいな感じ。後は反乱軍に加わるもよし、オークの側につくもよし。いわゆる魔王がどうとかいうような話ではないのが好印象。(追記:オークからサブクエストは受けられるが、オーク陣営でクリアはできないようだ。)
人間の反乱軍は貧すれば鈍するとでもいうのだろうか、野盗や野伏せりとあまり変わらん存在。そしてオークといっても脳筋なだけで普通に話が通じる相手なので、オーク側につくのもあまり抵抗がなかったりする。実際ゲームをプレイしてNPC達の話をあれこれ聞いた感じとしてはオークというより異民族、例えばモンゴルあたりの侵略と置き換えるほうがしっくりくる(魔法使いXardasがどう…とかメインの話は置いといて)。
オークが占領した町には不穏なオブジェがごろごろしているので、それはどうかと思う人もいるかもしれない。でも、あれらの器具の実物も発明して使ってたのは欧州の人間な訳です。ゲーム世界においても作成してたのは人間側としか思えなかったり……。たぶんオークから解放された後も現実世界の革命後のように内輪揉めで同じような事をやらかすと思いますわ。
このGothic3、買ってから数年積んでいた。原因は主に自分の完璧主義的に進めたがる性格である。具体的にいうとLearn QuicklyというLVアップ時にもらえるスキル習得ポイントが増えるスキルのせいだ。
このゲームはプレイヤーの得られるゲーム内リソースに限りがあるタイプであり、野生動物以外はリスポーンしないし、リスポーンしたものは倒しても経験値は入らない。こういう仕様だとどうしても効率を求めたくなっちゃうのだね。そして、こうあからさまに早くとればとるほど得なスキルがあると、それをまず最初に狙わずにはいられなくなる。キャラを一切強化しないまま北の奥地や砂漠の果てまでいけちゃうゲームなので、ステータス強化にそこまでこだわる必要性はないのは承知しているのだが、つい…。
このスキル一応はゲーム開始直後から獲りに行けるのだが、右も左もわからない初回プレイで狙うのはなかなかに敷居が高い。無理に初回プレイから狙う必要はないとだけ言っておく。
それと戦闘が慣れるまで異様に難しく感じるのも一因である。コツさえ掴めば実はそこまで難易度は高くなくタイマンでは負ける事はなくなるのだが、それでも野生動物などは群れで襲ってくるし攻撃の隙も小さいので人間やオークよりはるかに危険だったり…。
自分の正面をターゲットするのだが大雑把すぎて狙った敵に攻撃するのが難しいのも難易度に拍車をかけてる。フレンドリファイア有りなんで敵対していない緑ネームの人間・オークに攻撃が当たって街中を敵にまわしちゃうのもしょっちゅうだ。
※なお、戦闘の面白さはTESシリーズと同じくあんまり…。突きやタメ攻撃など操作のバリエーションは多いのだが斬りつけている感覚などが薄く、剣戟アクションRPGとしてはMount&Bladeのほうがはるかにできが良い。
Gothic3にせよX3にせよ、どうもドイツのゲームは無骨で荒削り、UIも洗練されてないが妙なところに凝っているというかこだわりを感じるものが多い気がする。
昨今の家庭用ゲーム機をメインにしたマルチプラットフォームのゲームとは一味違う昔ながらの洋ゲー臭がたまらない。
→Steam "Gothic3"
(なお、Steamの画像は開発中のものみたいで実際のゲームとは少し違う。)